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サッカー日本代表の左(ウィング/バック)の歴代最強を考察する 3終

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1998年フランス大会に初出場を果たしてから、日本代表はW杯に常時出場出来るだけの地力を持ち始めた。2002年こそ自国開催で予選免除で本大会に出場したが、続く2006年ドイツ大会にも出場して世界と戦った。




だが、自国開催の時とは違い、1998年・2006年ともアウェー開催のW杯で日本は決勝トーナメント(ベスト16以上)に勝ち上がれなかった。それ以前にアウェー開催のW杯でまだ1勝もあげられない。原因は複数あっただろうが、そのひとつに左サイドの補強が上手く行かなかった事も挙げられると思う。特に1998年の対ジャマイカ戦、2006年の対ブラジル戦、日本は左サイドの守備をあっさり破壊されて失点していたのだ。かつての杉山隆一選手や都並敏史選手が居たら、そうは簡単に突破されなかったはずの左サイドであった。ブラジルから日本に帰化して左サイドバックで存在感を示していた三都主(さんとす)アレサンドロも、2006年ブラジルA代表の破壊力・突破力には対抗し切れなかった。




予選グループリーグ2敗1分けで終わった2006年ドイツ大会の後を受けて代表監督に就任した岡田武史監督は、2008年にFC東京(当時)から左DFの

長友佑都選手(1986年~ )を代表に招集する。明治大学に在籍のままFC東京と契約し、プロ選手になりたてだった長友選手は、FC東京入団以前は右サイドバックだった。




サッカー:長友佑都(日本代表)2.jpg


身長170センチながら、大型選手に当たり負けしない強靭な体幹に加え、体操選手並みの身体能力・驚異的なスピード・ドリブルテクニック・無尽蔵のスタミナ・・・・往年の杉山隆一選手と都並敏史選手を足して2分したような選手が長友選手だった。加えて、本来右サイドだった事もあってサイドチェンジも出来、強烈なミドルシュートも打てる・・・・・





こうして見ると、ある選手のイメージが彷彿と浮かんで来るではないか。



・・・そう、世界最高の左サイドバックと謳われたブラジル代表のロベルト・カルロスである。身長168センチながら、100メートル10秒台で走り切るスピード、破壊力抜群のキック力、ロベルト・カルロスが左サイドに君臨していた時代のブラジル代表は左から崩されて失点する事がまったくと云ってよいほど無かった。かつてブラジルの左サイドバックにはブランコという名手が居たが、ロベルト・カルロスのような強靭さは無かった。ロベルト・カルロスの登場によって、世界のサッカー界は左サイドに屈強でスピードのある選手を配置しようとする流れになる。





長友の加入した日本代表は、2010年W杯南アフリカ大会で予選グループリーグを突破してベスト16入りし、長友は左サイドで2試合、右サイドで2試合と全4試合に先発出場して縦横無尽の活躍をする。この活躍が注目されて、FC東京からイタリア・セリエAのチェゼーナに移籍し、さらに名門インテルが2億円の移籍金を払ってチェゼーナから長友選手を獲得。レギュラー出場だけではなくキャプテンマークまで託される事もあり、驚異的なオーバーラップからアシストや得点を決める事も増えて、今や堂々たるインテルの中心選手の一人にまで登りつめた。




サッカー:長友佑都.jpeg


長友選手は小柄であるにもかかわらず、空中戦にも抜群の強さを発揮する。強靭なバネの賜物だが、小柄な選手は空中戦には不向きというセオリーを覆した世界初の選手という評価を受け、現地スポーツ紙から

セリエAのニンジャ(忍者)とまで言われるようになる。




サッカー:長友佑都(日本代表)2014年対ウズベキスタン.jpg


2013年には膝の半月板を負傷したが、手術ではなく温存療法を選択して再びインテルのピッチに復活し、日本代表にも無事に復活招集される。2014年W杯ブラジル大会に向けたアジア地区予選では期待に違わぬ超人的な働きを見せて日本サポーターを安心させてくれた。W杯ブラジル大会の本メンバーにも順当に選出され、5月の代表合宿ではザッケローニ監督の課したフィジカル徹底強化トレーニングで選手全員が疲労の極に達し、直前の強化試合(対キプロス戦他)で主力選手がパフォーマンスを落とす中で長友選手だけが最後まで左サイドを元気に走り回っていた。




サッカー:長友佑都(日本代表).png


日本の左サイドに久しぶりに出現した左のスペシャリスト長友選手のお陰で、左の攻撃的MF(FW)の香川選手、左ボランチの遠藤選手と織りなす左トライアングルは破壊力抜群になった感がある。これにトップ下の本田選手、右の岡崎選手、さらには1トップの先発が予想される柿谷選手が絡む訳だ。万能型FW大久保選手とのコンビネーションも問題ない事は強化試合で明白だ。攻撃のオプションがこれだけ増えたのは日本代表史上「初」と言ってもいいかも知れない。

(・・・だからといって、現在の日本代表を史上最強と断言するのは早計だと思う。)





W杯ブラジル大会では初戦がコートジボワール戦だが、2008年キリンカップで対戦した時に長友選手はミドルシュートを決めている。身体能力の高いアフリカ人選手にも互角に渡り合えるのが長友選手の凄さ。ブラジル大会の初戦に向けて、日本の左サイドに君臨する長友選手の存在は余りにも大きい。日本代表がブラジル大会で決勝トーナメントに進出するためにはは、長友選手が左サイドバックとして予選グループリーグ全3試合にフル出場出来るかどうかに掛かっていると言っても過言ではないだろう。





・・・・・さあ、いよいよW杯ブラジル大会が開幕する!大会初戦の開催国ブラジル対クロアチアがまもなくキックオフ。2日後に登場する日本は、今大会どこまで勝ち進めるか!?








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