W杯ブラジル大会の日本対コートジボワール戦(現地時間14日/日本時間15日午前10時~)がTV中継された日、私は仙台のスタジオで午前11時から夜まで14人にレッスンをしていた。
日本対コートジボワール戦が開始したあたりはTVで観戦していたが、11時に最初の生徒が来訪してすぐレッスンを開始し、以降はニュース等で試合結果だけを知った。
「なぜ試合予定がある日にお仕事を入れたんですか?」とあちこちから何度も言われたが、いくらサッカーが好きでもそれとこれとは話が別。たしかに私はサッカー・ファンだが、レッスンやピアノ演奏・練習・・・・あくまで本業を最優先するのは当たり前の話だろう。特に本番(コンサート)ともなれば身内の入院や危篤よりも優先されるのがこの業界の常識。
漏れ聞くところによれば、某TV番組で日本対コートジボワール戦の中継時間の時に、わざわざ街行く人々をつかまえて
ただ、全てを優先してサッカー観戦をするほどのサッカーファンを自認するなら、初戦で日本が負けた位で簡単にテンションを落とすなと言いたい。前回W杯優勝のスペインは初戦でコケている。それにサッカーW杯は緒戦に勝つ事が目的ではなく、まずグループリーグを突破して「決勝トーナメント」に勝ち上がる事が目的である。それには勝ち点とともに得失点差が重要になってくる。初戦で逆転負けを喫していても得点(先取点)をあげて、1点差で負けている。つまり最小限の負け方で済んだのだ。これが完封された上に2点差、あるいはギリシャのように緒戦の対コロンビア戦で3点差負けしたのなら話は別になって来るが、同じ「負け」にも「負け方」がある。緒戦の結果だけ見てキャアキャアわめくのはまだ早いのだ。
もっと問題なのは、戦犯捜しをして特定の選手を攻撃する事だろう。日本の大黒柱・本田選手がいみじくも直前に言った言葉
コロンビアが次の試合でコートジボワールを破って2勝目をあげて決勝トーナメント進出を決めていれば、最後の対日本戦は選手&体力の温存作戦を採って無理な戦いをしないものだ。日本に負けても決勝トーナメント進出が無くなる事はないし、対日本戦で無理なプレーをして怪我でもしたら元も子もないからである。
第一コロンビアは世界屈指のストライカーであるファルカオが直前に代表離脱をしていて万全ではないから、2戦目のコートジボワール戦で決勝トーナメント進出を無理してでも決めに行くだろう。コートジボワールも主力がジェルビーニョ以外本調子ではないから、2戦目3戦目と後になるほど不利になる。初戦の日本戦に1勝しただけでズルズル負ける事だって考えられる。南米の気候に慣れているコロンビア戦で疲弊し尽くし、最後のギリシャ戦まで落とせば1勝2敗。
仮にコートジボワールがコロンビアに勝つか引き分けた場合、日本はギリシャ戦とコロンビア戦に2勝(最低でも1勝1分け)する必要が出て来るが、コロンビアとコートジボワールが決勝トーナメント進出をかけて2戦目で“潰し合い”をしてくれるのが今回のミソである。どちらが勝つにしても双方の戦力消耗は避けられないからだ。
以上の事柄を総合的に考察した場合、残りの2試合で2勝する確率はコートジボワールより実は日本のほうが高いのだ。コートジボワールは(途中出場のドログバも含めて)日本戦で見せた布陣が全てだが、日本はDFの今野や酒井、MF青山、FW清武や斎藤を含めて温存している戦力がまだまだある。エース本田の復調度合いはもう心配ないし、初戦の敗戦で修正点を見いだせないような代表選手たちではない。サポーターなら、日本代表の決勝トーナメント進出を信じて下を向かずに応援するべきだろう。
ただし、サッカーにあまり興味がない人々やサッカーどころではない人々を過剰に突っつかない事だ。自分達の価値基準だけで日本国民を画一的に考えるなと云いたい。私はサッカーだけではなく硬式テニス、バレーボール、卓球、ラグビー、フィギュアスケート、大相撲、プロ野球など、あらゆる競技の観戦(スケジュールの都合でほとんどがTV観戦になってしまうが・・・)が大好きだが、
現地スタジアムで応援した日本サポーター団は、対コートジボワール戦の後、98年フランス大会から恒例になった