日本のW杯ブラジル大会が終った。
予想通りギリシャが予選グループリーグC組最終戦でコートジボワールに勝ったが、日本はコロンビアに勝てずに「終戦」となった。
先発(レギュラー)を8人も入れ替えて来たコロンビアに対してすら勝てなかった所は現時点での実力・「世界への壁」だろう。日本は人数をかけてシュートまで持ち込んでもゴールを決められない。コロンビアは1人か2人であっさりと日本の守備陣をかわしてシュートを決める。1対4の差とは何の差だったのだろうか。
それよりも、日本代表がW杯で予選グループリーグ突破の常連国(ブラジルやアルゼンチンなど)になるにはどうすればいいか・・・・
今回の結果で、ふと感じた事がある。
サッカー選手とピアニストは、1つだけ共通した点があるんじゃないか・・・・・という事だ。
小学校3年からサッカーのジュニア・クラブチームで専門的なトレーニングを経験した人間として私なりに感じた事である。
それは
世界で活躍しているコンサート・ピアニストを見た場合、14~15歳までに技術的な完成を成し、その年齢のままデビューしてしまっている。
やっと18歳で正式にコンサートデビューした私など
10歳になるかならぬかで国際的デビューをしたダニエル・バレンボイム、14~15歳で国際ピアノコンクールを制覇してしまったマルタ・アルゲリッチやマウリツィオ・ポリーニ。彼らを単に「天才」というのは簡単だ。しかし、彼らのその当時の録音や映像を観てみると、彼らが
今回のW杯ブラジル大会でも、ネイマール(ブラジル)やメッシ(アルゼンチン)は
世界のトップクラスのサッカー選手は、幼少~少年時代にストリートサッカーなどで日柄鍛えられて高度なテクニックを自然に身につけてしまい、10代になるかならぬかで一流クラブチームの下部組織に入ってさらにシステマチックな指導を受け、14~15歳で一応のプロになってしまう。日本のように上級生が下級生をいじめ倒したり、下級生にボール拾いばかりやらせて練習や試合に出られるのがやっと3年になってから・・・という中学校の大部分のサッカー部とは違う環境なのだ。日本の中学校の部活動からメッシやネイマールは絶対に生まれない。
同じ環境を作れとまでは云わないが、ブラジルやアルゼンチン等の強豪国からジュニア育成のプロをどんどん招聘し、部活動ではなく「ジュニア育成クラブチーム」を作って14~15歳で技術的に完成したジュニア選手を大量に育成する。そこから先は体幹を鍛え、フィジカルを強化し、国際試合に通用する高等戦術を養わせるわけだ。まずはそこから・・・・ではないのか。
ピアノにしてもサッカーにしても幼少期から開始して10代半ばでテクニックを体感・完成させる事の意味は、テクニックを「頭」ではなく「本能」の部分で使えるようにするためだ。つまり
本能でボールを蹴る青少年選手が日本全国に何千人と存在するようになって、ようやく世界と互角に戦えるA代表チームへの基礎がやっと完成するのだ。後はその中から海外の強豪チームで経験を積んだり、Jリーグで活躍して場数を踏んだ選手を選び、日本代表を召集する。理屈ではなく本能・感覚でボールを扱える選手たちがフィジカルを完成させて代表に顔をそろえてこそ、初めて外国人監督の采配が生きるのだと思う。そうでなければジーコやザッケローニを監督に呼んで来ても意味はないだろう。彼らがそれまで指揮をとって来たチームの選手は「本能でボールを扱える選手が揃ったチーム」だったから。
味方の攻撃が相手DFに跳ね返された時のセカンドボールの確保率が低かった日本。