まことに都合のよい説(苦笑)だが、科学的に立証などされていないし、わざわざ検証しようというモノ好きな学者も居ない。何故なら、そういうオカルト的な事に関わっていられるほど学者や研究者はヒマではないからでありますね。
仮に、1万歩譲って 「 胎内記憶 」 なるものが存在したとする。存在したからと云って、人間の成長過程その他で何かの役に立つのだろうか。胎児の頃の記憶を明瞭に持っていなければ成長に際して何か差し障る事なんてあるわけがない。ようするに 「 …だから何? 」 というものだ。
胎内で聴いていた音がテレビの 「 ザ~~~~‥‥‥ 」 というホワイトノイズだったとか云われるが、これは胎内記憶とは無関係で、潜在意識の中に残っている感覚的なものだと云われている。TVがアナログだった頃、付けっぱなしのまま眠ってしまって、TVがホワイトノイズになっている…なんて経験をされた方々も居るだろうか。私の場合、あの 「 ザ~~~~‥‥‥ 」 っという音を聴いていると、どういう訳か“眠落ち”してしまうのだ。胎内で聴いていた音に近いから、というよりも熟睡しやすい脳波とかが出ているのだろう。ただ、母親の胎内で胎児がどんな音を聞いているのかは、どんな方法で検証したとしても胎児本人以外は100%判りっこない。あくまで近似値でしかない。それがオカルティズムの入り込む隙のない正規科学の立場なのだ。
エマヌエル・ヴェリコフスキーの 『 衝突する宇宙 』 のような、なかばオカルティズムを含んだ眉ツバ的な科学を 「 疑似科学 」 と呼ぶそうだが、胎内記憶も疑似科学に近いのだろうか。科学というよりむしろ“妄想”に近いから、疑似科学ですらないのかも知れない。いずれにせよ、真っ当な感覚を持った正統派の学者・研究者なら一笑に付して相手にはしない。眉唾以前の、